黄連とは
黄連とはキンポウゲ科オウレンの根茎を掘り取り乾燥した生薬です。 一般にオウレンは冬季降雪地域に多く見られ、積雪により葉と花芽などが保護されていると思われます。
秋から春の開花前に掘り取り(一般的には秋)、掘り取った根茎の細根を切り取った根茎をそのまま乾燥させます。ここから更に、残った細根を焼いて根茎だけにしたものを生薬の黄連といい、むしろ等でこげた細根の跡を磨いて取り除いたものをとくに磨黄連といいます。漢方で用いるものはこのように調整したものですが、根茎は節状に珠が連なったようになっており、その断面が黄色をしているところから黄連の名があります。
薬効
健胃、整腸薬として消化不良や下痢止め
用い方
粉末:1日量0.3~0.5gを1日3回食前に服用
煎じ薬:きざんだ根茎3~5gに水0.5リットルを加えて煎じ、約半量まで煮詰めたものを3つに分け、毎食前に服用
栽培
薬用植物で栽培される種類のうちオウレンは筆頭に入りますが、種をまいて収穫するまでに少なくとも5~6年を要するため、栽培を行う人が少ないようです。ですが、他の農作物などの栽培が困難で収穫が悪く生産性の少ない土地などではオウレンの栽培は好適と考えられます。
種子は4~5月頃に採取しますが、砂を混ぜて播種期(はしゅき)の晩秋まで土中に保存すると発芽率はよくなります。 栽培種としては丹波系のものがよいでしょう。
現在各地で栽培されるオウレンはタンバオウレン(丹波黄連)と呼ばれるセリバ型の種類です。 播種の翌年、苗床より掘り取り4~5本を1株として本畑に植え込みます。
オウレンは日陰の植物で、直射日光が強い所では葉が日焼けするため、寒冷紗(かんれいしゃ)などで約50%に光量を制限する必要があります。 また、晩秋には翌年の花芽の形成が進むので寒風や凍結にはとくに注意し、雪の降らない地方でも、籾殻や藁などで保温する必要があります。
出典:新日本法規出版(株)、明解家庭の民間薬・漢方薬、166・167頁