皆さんは「遊び心」をお持ちでしょうか?
どうしても「遊び」と云う言葉は「不真面目」と云う印象が先に出て仕舞うように思います。しかしながら「遊び」と云うのは「ゆとり」と云う意味もあります。例えば自動車のハンドルにも遊びがありますよね?
どうしても日常生活に追われて仕舞うと、「ゆとり」すなわち「遊び」が無くなって仕舞い、ややもすると気持ちばかりが焦って仕舞い、本人が気づかぬうちに廻りの人に対してイライラをぶつけているかも知れません。そうなって仕舞うと廻りの人も困りますし、何よりも自分自身が一番困ることになるのは明白です。
それでは、どうしたら「遊び心」を持てるのでしょうか。
それは案外簡単なことで本業が終業したら、敢えて「不真面目」になればいいんです。ここで云う「不真面目」は、法令や公序良俗に反することではありませんよ。本業以外にもう一つでも二つでも楽しみを作れば良いんです。そして、その楽しみを生活の一部に組み入れて継続させることです。そして、生活に組み入れた楽しみを分かち合える友人を作り、そこでの付き合いと人脈を大切にすることです。
「そんな友人など居ないよ」とがっかりしないで下さい。ご自分の趣向に合ったサークルが公民館などで活動しているはずです。まずは公民館に問い合わせてみては如何でしょうか。一度そういったサークルにお邪魔して、もし継続出来そうならば、そこで活動して友人・知人を沢山作りましょう。
大事なことは、そういった本業以外の顔を持つことで、年齢や職種など関係のない人脈が出来、何かと困った時の相談相手として頼もしい存在になります。それだけではありません。本業に対しても一段引いて見ることが出来るようになり、他人の多少の粗相など笑って許せるようになります。さらにほんの小さな親切もとても嬉しく思えるようにもなります。
高度成長の時代は終わり、既にゼロ成長かマイナス成長の時代になっております。モーレツに努力すれば報われる時代ではありません。これからの時代、ひとりひとりが「遊び心」を持つことで、自分自身に厳しく他人には優しく対峙して行くことが地域の健康に繋がり、それが皆さんそれぞれの健康に繋がって行くのではないのでしょうか。
関病院 前田淳志